クレジットカードに総量規制は関係あるのか?
総量規制は個人向け貸付に適用される法律ですが、カードローンと似た性質を持つクレジットカードも総量規制の適用だとご存知でしょうか?
クレジットカードにはショッピング枠に加えて、キャッシング枠を設定することが可能です。
そのキャッシング枠が消費者金融のカードローンと同じように総量規制の対象となります。
キャッシング枠は総量規制!ショッピング枠は適用外
クレジットカードのショッピング枠は、総量規制を含む貸金業法ではなく割賦販売法の適用なので、総量規制の範囲ではありません。
その為、例えばカードローンで既に年収の3分の1にあたる借り入れをしていても、クレジットカードショッピング枠を使って買い物が可能です。
ちなみに、ショッピング枠の利用限度額は、年収から属性で判断できる生活維持費を引いた金額でカード会社に決定されます。
割賦販売法では、支払い可能見込み額に0.9をかけてショッピング枠とするようになっています。
また、クレジットカードのキャッシング枠はショッピング枠に含まれる形となるので、ショッピング枠よりも金額が低く、尚且つ、総量規制の年収の3分の1を超えない金額での限度額設定となります。
加えて、クレジットカードキャッシング枠の利用が総量規制ギリギリの借り入れ額の場合、総量規制が適用される消費者金融含む貸金業者からの借り入れは高確率で断られ、審査に落ちます。
逆に、消費者金融からの借り入れ額が、クレジットカードのキャッシング枠を利用することで総量規制に触れそうな金額の場合も、同じくクレジットカードのキャッシング枠を利用することは出来ない可能性が高いです。
総量規制の定める年収の3分の1の金額を満たしてしまう事になる借り入れ契約は、出来ないことが多いです。
ちなみに、クレジットカードを扱っているカード会社や信販会社が申し込み先となっているローンは勿論、総量規制の対象です。
カード会社や信販会社がショッピング利用代金の立て替えではなく融資をする場合、消費者金融と同じ貸金業者として総量規制が適用されます。
つまり、クレジットカードキャッシング枠ではなく、カード会社や信販会社のローンで借り入れをする場合でも年収制限があります。
リボ払いは総量規制対象外なのか?
時に、昨今のクレジットカードには、リボ払いという利用代金を分割で支払っていく仕組みがあります。
リボ払いの支払いの仕組みは、カードローンの分割で返済していく仕組みと似ているので、総量規制が関係しているかもしれない!と思う方もいるかもしれません。
しかし、ショッピング枠の利用額のリボ払い分なら、やはり総量規制には関係ないです。
加えて、リボ払いの他にクレジットカードでは、回数指定の分割払いやボーナス払いも可能ですが、それらもショッピング枠での利用なら総量規制に含まれません。
ただし、キャッシング枠の利用分をリボ払いしている場合は、その分は借り入れとして総量規制の適用となります。
ちなみに、リボ払い手数料はショッピングの場合もキャッシングの場合も、利率として高めです。
リボ払い分割手数料の平均利率は、年15.0〜18.0%の範囲で設定されている事が多いので、利息をカットしたい場合は銀行カードローンに借り換えてしまう事をオススメします。
キャッシングとカードローンの併用は避けた方が良いのか?
総量規制の兼ね合いもありますが、借り入れ審査の観点からいっても出来ればどちらかの利用に限ることをお勧めします。
両方利用していたとして、カードローンが消費者金融との契約であれば、絶対に年収の3分の1以上はクレジットキャッシングでもカードローンでも借りられませんから、2つ契約先があることにメリットはありません。
寧ろ、消費者金融カードローンとクレジットキャッシング両方別々に使うよりは、消費者金融の借り入れの方にキャッシング分の借り入れをまとめてしまった方が、利息負担が軽くなります。
消費者金融カードローンは返済方法も豊富ですし、ATMが無料で利用できるところもあるので、クレジットカードによる返済よりも状況に合わせて便利な利用の仕方が出来ます。
もし、銀行カードローンとクレジットカードのキャッシング枠の併用だとしても、借り入れ件数が複数であることに変わりはないので、信用情報の面での評価はあまりよくありません。
他社借り入れがある場合、総量規制対象外の銀行カードローンでも借りられる金額が抑えられてくる可能性が高いです。
というのは、他社からの借り入れを貸し倒れリスクとして貸付側としては認識せざるを得ないからだといえるでしょう。
借入先が増えることは、多重債務への足掛けになる事だと肝に銘じで起きましょう。
クレジットカードキャッシング枠をなくせる?
とはいうものの、カードローンで借り入れは出来てもカード払いが出来ない為、クレジットカード自体を解約してしまうと不便…。確かにそうだと思います。
しかし、一番最初にも述べたように、クレジットカードのキャッシング枠の利用が他の借り入れ・ローン契約に影響があるのであって、ショッピング枠は影響しません。
そこで、クレジットカードのキャッシング枠だけをゼロにしてしまう事をお勧めします。
クレジットカードのキャッシング枠は、契約時に利用希望額をゼロで申請出来ますから、ショッピングでしかクレジットカードを利用しない場合は、最初から限度枠を取らないことも出来ます。
また、すでに契約済みでクレジットカードのキャッシング枠がある場合は、カード会社に連絡しキャッシング枠をゼロにしてほしい旨を伝えれば、キャッシング利用は出来なくなり借り入れ件数が減ります。
もし、カードローン契約を考えていて、既にクレジットカードキャッシング枠がある場合は先にその枠を解約してから、カードローンに申込む事をオススメします。
他社借り入れ件数は審査の上で少ない方が評価が良いですし、消費者金融を利用する場合は総量規制の年収制限に至るまでに枠に余裕が持てるといえるでしょう。
借り入れ件数として、審査の上では使っていないキャッシング枠は無い方が良いです。
ところが、1円もキャッシングに利用していないキャッシング枠が、利用可能見込み額として総量規制に含まれることはありません。
というのは、クレジットカードの主な機能はショッピング枠での代金立て替えなので、そこまでキャッシングに重きを置いていないからといえるでしょう。
その為、利用していないクレジットカードのキャッシング枠がある事で、総量規制にひっかかってしまう事はあまりないようです。
ただし、カードローンと併用している場合はそのカードローンの途上与信の時、クレジットカードの更新時などは今一度、利用できる限度額を精査される可能性が高いといえます。
その際に、使っていないキャッシング枠も含めて、総量規制の範囲に収まっていないと、カードローンかクレジットキャッシングどちらかの利用が停止になる可能性がゼロではありません。
どうしても急いで新たに借り入れする場合などは、利用していないキャッシングはそのまままでも良いかもしれませんが、なるべくは借り入れ件数的にも利用していない枠は解約しておく事をオススメします。